急性期治療終了後、引き続き医療的ケアや対症的な治療を必要とする患者さまを中心に、安全・安楽な療養生活が送れるように看護ケアを提供しています。
点滴管理の必要な方、摂食機能訓練の必要な方、身体機能回復訓練の必要な方など、患者さまの状態は様々です。当院には、患者さまの療養生活を支援する介護スタッフも在籍。看護・介護が協働して、一人ひとりに合わせた「患者さまに寄り添った看護」の提供に努めています。
病状の回復だけではなく、日常生活能力の維持・向上を目指し、コメディカル部門と連携しながら、入院から退院までチームでサポートいたします。
慢性期病院では「充実したリハビリが受けられないのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。リハビリは急性期や回復期ばかりが重要視される傾向にあり、積極的にリハビリに取り組む慢性期病院は多くありません。そのため、回復期での治療を終えるとリハビリを受けられる場を失い、身体機能が低下してしまう方や機能改善の機会を逃してしまう方が多くいらっしゃいます。
当院は「リハビリテーションを主体とした慢性期病院」として、患者さまにあらゆる種類のリハビリを豊富に受けられる体制を整えており、重症度や発症後の時間経過によらず、その方に合ったリハビリを提供することが可能です。また、医師と相談の上で「リハビリを必要としている患者さま」には、十分な量のリハビリを提供できる体制も整えております。
症状が進行し、長期に入院が必要となった場合でも「希望をもってその人らしく生きる」ため、「トイレだけでも自分で行きたい」「一口で良いから何か食べたい」など患者さまの想いに応えられるよう、支援しております。患者さまの尊厳を保ち、生活の質にこだわった満足度の高いリハビリテーションを提供いたします。
当院では長期療養型病院として、毎日の“食べる楽しみ”を大切に、季節を感じていただけるようなお食事の提供に努めています。
献立は一般食から嚥下調整食や特別治療食を、主治医の指示のもと提供。患者さまの約7割が嚥下調整食を召し上がっており、噛む力や飲み込みの状態に合わせて常食からゼリー食まで、安全な形態でのお食事をご用意しております。
また、お食事の配膳には電気温度管理が可能な温冷配膳車を導入。「温かい料理は温かく」「冷たい料理は冷たく」、一番美味しい状態でお食事を召し上がっていただけます。
当院には、歯科衛生士が在籍しております。
一般的に慢性期病院に歯科衛生士が在籍している例は多くありません。しかし、入院生活が長くなると内服薬の影響や話をする機会が減るなど、さまざまな原因により口腔環境が悪化してしまいがちです。さらに、口腔内細菌は心臓、誤嚥性肺炎、糖尿病の悪化など、全身の健康に大きく影響を及ぼします。そのため当院では、歯科衛生士による専門的な口腔ケアを行うことでリスクを大幅に低減し、患者さまが快適な“健口生活”を過ごせるようにサポートいたします。また、歯科医院の協力を得ておりますので、往診による歯科受診も可能です。
内科・精神科病棟すべてに担当薬剤師を配置。入院時に服用している薬を確認させていただき、主治医や病棟看護師と情報共有することで、その後の治療方針に活かします。
当院では薬剤師が主体となり、病棟スタッフ全体で内服薬を管理。服薬中の薬は患者さまの体調に合っているのか、飲み合わせに問題はないか、飲みづらくないかなど、細かいところまでしっかり気を配ります。さらに、患者さまに安心して薬を飲んでいただけるよう、担当薬剤師は朝・昼・夕・寝る前と飲む時間ごとに分けられた内服薬を確認。また、病棟をまわりながら服薬中の薬の説明を行っていますので、ご家族にもお話を聞いていただけます。
当院では、院内で無菌調製業務を行っております。無菌調製業務とは、食事をとることが難しい患者さまへの栄養補給を目的とした「TPN(中心静脈栄養法)」を実施するため、高カロリー輸液を無菌的に調製することです。雑菌やほこりなどが混入することを防ぎ、無菌状態で作業するためのクリーンベンチを2台完備。この2台のクリーンベンチで高カロリー輸液の調製を行い、患者さまに安心・安全な輸液を提供しております。