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輸血を拒否される患者さまへの当院の対応について

 当院は患者さまの意思を最大限尊重することを基本に診療を行っておりますが、輸血なしでは救命できないと医学的に判断された場合には患者さまの同意の有無に関わらず輸血を行うことにしています。これは「相対的無輸血」と言われているもので、患者・家族の皆様のご理解がより深まり、ご協力が得られますよう予めホームページおよび院内掲示等を通じて公開することにいたしました。

 診療を始めるに際し、輸血が必要となる可能性が極めて低い場合は予め輸血の同意書を提出して頂くことはありませんが、医療には不確実性があることから、診療中に輸血の可能性が生じた場合には当院の「相対的無輸血」の方針をご説明し、関連する書類への署名をもってこの方針に同意して頂いたものと判断します。輸血の可能性があっても輸血に同意を頂けない、いわゆる「絶対的無輸血」の意思をお持ちの患者さまには他の医療機関で診療を受けられることをお勧めすることもあります。

 緊急時に患者さま又は救急隊等から当院での診療を求められた際に、いかなる状況においても輸血を拒否する「絶対的無輸血」による診療を患者さまが望まれている場合には、原則として他の医療機関の受診や搬送を要請します。また、受診後または救急搬送後に患者さまに「絶対的無輸血」の意思があると判明し、他の医療機関への転送の余裕がなく、救命のためには輸血が不可欠と医学的に判断された場合には、院内倫理委員会あるいは病院長の判断を踏まえ輸血を行います。

 この方針は、患者さまの年齢や医療に対する判断能力の有無、代諾者や親権者の意向によらず適応されますが、患者さまが15歳未満で親権者の双方が輸血を拒否して治療を行えない場合には、児童相談所等の公的機関に通告または相談し対処することにします。

 患者さまが宗教的信念に基づいて輸血を拒否する場合でも、それのみを理由に診療を行わないものではなく、その自己決定権を尊重し、極力輸血を避ける方法で最善の診療を行いますが、救命のためには輸血が不可欠と医学的に判断された場合には「相対的無輸血」の方針に従い輸血を行います。

 特定の宗教団体が提示する「免責証書」等の「絶対的無輸血」に同意する文書に当院職員は署名しません。また、輸血の意向を患者さまご本人に確認する際に、ご家族や宗教関係者の同席を求められた場合には、これら関係者の影響を避けるため、席を外して頂いた上で再度本人の意向を確認する場を設けることにします。 なお、その団体に信者と医療機関との橋渡しを行っている部門(委員会等)がある場合には転院先等について当該部門(委員会等)・患者・当院の三者で相談を行うことができます。

 輸血によって救命の可能性のある患者さまの大切なお命を、輸血を行わないことで失うことがないよう以上の方針を策定しましたので、ご理解とご協力をお願い致します。

2025年2月

イムス明理会仙台総合病院

病院長

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