看護部の理念は「患者さんの尊厳を守り、その人らしい療養生活が送れるよう支援します」です。慢性期医療を提供する当院では、長期療養される方がほとんどです。したがって看護部としては理念に挙げているように、一人ひとりに寄り添い、個別性のあるケアを提供するよう努めています。その一環として、3年前よりEOLC(終末期ケア)についても多職種と連携し、活動を進めています。
また看護職員の教育においても、慢性期看護を通して、フィジカルアセスメントを養い、看護の感性が身に付くことを大切に、看護を実践しています。
当院では「地域に愛される慢性期病院」として、リハビリを必要としているすべての方に、十分なリハビリが提供できるように努めております。高齢の方は特に様々な症状を併せ持っている方が多くいらっしゃいますが、あらゆる種類のリハビリを豊富に受けられる体制を整えており、重症度や発症後の時間経過によらず、その方に合ったリハビリを提供することが可能です。また、退院支援や退院後の在宅生活のフォローにも力を入れており、長く安心して地域で生活していただけるよう支援いたします。症状が進行し、長期に入院が必要となった場合でも「希望をもってその人らしく生きる」ため、「トイレだけでも自分で行きたい」「一口で良いから何か食べたい」など患者さまの想いに応えてまいります。患者さまの尊厳を保ち、生活の質にこだわった満足度の高いリハビリテーションを提供いたします。
当院では長期療養型病院として、毎日の“食べる楽しみ”を大切に、季節感のあるお食事の提供に努めています。
献立は食形態に配慮し、一般食から嚥下調整食・特別治療食を、主治医の指示のもと提供しております。患者さまの多くがやわらか食やソフト食を召し上がっており、噛む力や飲み込みの機能に合わせて安全で食べやすいお食事をご用意しております。
また、お食事の配膳には温度管理が可能な温冷配膳車を導入。「温かい料理は温かく」「冷たい料理は冷たく」、一番美味しい状態でお食事を召し上がっていただけます。
当院では電子カルテと連動した調剤支援システムを導入しています。医師の処方せんに基づき、薬剤師がお薬の飲み方や投与量、飲み合わせ、重複投与など、処方内容に問題がないかを確認し、必要に応じて医師に問合せを行い、薬物治療の安全性・有効性の確保に努めています。また、自動錠剤分包機、散薬監査システム、軟膏練合機、薬袋・ラベルプリンターなどの機器を導入し、正確・迅速・安全に調剤が行える体制を整備して、調剤過誤の防止や業務の効率化を図っています。
入院時には、患者さまの持参されたお薬を鑑別し、当院採用の代替薬の提案を行い、持参薬確認書を作成しています。また、入院患者さまの薬物治療について、お薬の相互作用や適正使用の確認、医師や看護師など多職種からの薬についての相談応需、医薬品情報の収集・整理・発信などを通して、安全で効果的な薬物療法の提供に向けて日々業務に取り組んでいます。退院時には、薬剤管理指導の他、かかりつけ保険薬局との薬剤情報の共有を目的とした薬剤管理サマリーを発行し、退院後の服薬管理をサポートする体制も整えています。